眠ノ記

寝言と黒歴史を丁寧に磨いてお出しします

「好きなタイプの有名人」の絶妙なラインとおじさんが踏んだアメリカの地雷

「好きなタイプの有名人は?」と聞かれて、たまに長考に沈む人がいる。

僕はそれが不思議で仕方なかった。生きてたら何度も聞かれるだろうし、それを言えばいい。もしくは、特にいませんと答えればいいのにと。

 

僕は生まれてこの方悩んだことがなく、一貫してYUKIさんの名前を挙げている。元ジュディマリの。そばかすの。あのかわいい。

彼女は僕の好きなタイプランキングにおける、まさに絶対王者。僕は彼女の歌声で起床して、彼女に励まされながら夜中の山手通りを走る。

 

 

幸運なことに、YUKIさんはどんな層にも評判がいい。

同世代(30代後半)の女性で嫌いだという人に会ったことがないし、陰から陽までまんべんなく通じる魅力がある。アヒル口も多用するし、見ようによってはあざとく映るかもしれないのに、敵をつくらない不思議なポジションにいる。

認知度の割に話がそこまで広がらないのもいい。だいたいそばかすかめちゃイケの話だ。ラジオでやってた謎のキャラ・イソヤンJの話には決してならない。

 

「ほかに好きな有名人は」と聞かれたら、永作博美さんと答える。

これまた絶妙なチョイスらしく、なかなか評判がいい。

まあ同じ人間が選んでいるのだから当然と言えば当然かもしれない。要するに背が小さくて、目が大きすぎず、髪が肩までくらいで、ガーリーな見た目なのにさっぱりしている人が好きなのだ。

こう言うとよく「千秋は?」と聞かれるが、それはちょっと違う。

 

 

さて、世の中には逆に、

「お前、その名前をあげるなんて正気か?」

というくらい女性受けの悪い答えもある。

昔、友達がキャバクラで安田美沙子さんの名前を挙げたら、それを聞いたキャバ嬢の表情が消え、露骨にサービスが悪くなった。グラビア出身×はんなり京都弁×一人称ウチはさすがにおいたが過ぎる。

 

しかし、そんなのはまだまだ序の口。僕は大学時代に通っていた英会話教室で、もっとひどい事件を目撃したことがある。

 

 

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「あなたの好きなタイプの有名人は?」

ジェシカという名前の女性アメリカ人講師が生徒たちにそう問いかけた。

一番手は僕。いきなりの質問に、YUKIさんの名前は挙げなかった。さすがに知らないだろうし、最初から説明するのもだるい。そばかすを英語でなんていうか知らないし。

 

とっさに答えたのがレイチェル・ワイズ。映画『ハムナプトラ』とかに出ているイギリスの女優だ。

その名前を出した瞬間、ジェシカの目がらんらんと輝いた。

「グッドチョイス!シイィ、イィズ、ソーオスマート!!」

僕はレイチェルの中身をまったく知らなかったが、運良く正解を引いたらしい。ジェシカはアンガールズ田中さんみたいに人差し指を上下させながら、唾が飛びそうなくらいねっとりした口調で褒めてくれた。

どうやら僕のセンスは万国共通のようだ。

 

問題なのは、隣に座っていたおじさんの回答だ。よく授業で一緒になる、40代半ばくらいの愉快な人だった。

僕が外国人の名前を挙げて盛り上がったせいでおじさんの変なスイッチが入ってしまったのだろうか。わざわざ踊る真似をしながら前に出て、

「マドンナ!」

と答えた。

 

それ自体がだいぶいかつい行動でクラスは失笑の渦だったのだが、その後がさらにすごかった。あれだけご機嫌だったジェシカが表情を一変させ、

「シーイズビッ◯!!!」

とまくしたてたのだ。凄まじい反応速度。今度は確実に唾が飛んだ。いや、マドンナどんだけ嫌われてとんねんと。

席に戻るおじさんの顔がいまだに忘れられない。それ以降「クラスのマドンナ」みたいな表現を、安易に使えなくなってしまったくらいだ。

 

 

みなさんも、この機会にぜひ好きなタイプを見直してほしい。TPOに合わせて5人くらいはストックしておいて、できれば国内用と国外用に、2人ほど安パイがいるとなおいいと思う。

冒頭にあげた「いちいち長考に沈む人」は優柔不断ではなく、思慮深いだけなのかもしれない。