眠ノ記

寝言と黒歴史を丁寧に磨いてお出しします

PCが25年進歩してない件

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親がコンピューター関係の仕事をしていたので、僕の実家には早くからPCがあった。小学生の頃から空いているときには触らせてもらっていたから、僕とPCの付き合いはもう25年くらいになる。

親が買い替えたり、自分で買ったり。なんだかんだ6、7台は使ってきたと思う。それなりに見た目の変化はあるけれど…残念ながら肝心の中身について、なんの進歩も感じたことがない。

 

 

 

昨年末も、約4年ぶりにPCを買い替えた。確か10万円くらいだったと思う。決してハイスペックではないけれど、後ろ指をさされるほどのポンコツじゃないはずだ。

 

なのに、なのにだ。

初めて操作したとき、ホーム画面で右クリックしてからメニューが表示されるまで、やたらと時間がかかった。冗談抜きで、インターホン押して家の人が出てくるくらい。それに起動も遅いし、オフィス系ソフトの動作もすこぶる悪い。

 

「やれやれ、またか」

僕は辟易してため息をついた。買いたてのPCが期待を上回ったことなど、いままでただの一度もない。普通、4年も経って新型の商品を買ったら、なにかしらの発見や驚きがあるはずだ。が、まるでない。

何も空を飛べとは言わない。両脇からナイフやフォークが飛び出して、飯を食わせろとも言っていない。僕が求めてるのは究極にシンプルだ。

25年間、たったひとつのことを求め続けてきた。

 

 

かるいの。

 

 

願いはいつも届かない。

 

 

PCが進歩すれば、相対的に動画やソフトも複雑になり、PCにはそれに耐えうるだけの機能が追加される。だからいつ買っても重いし、理解不能な理由でフリーズする。デュアルコアとは、大容量とはいったいなんなのか。

そんな図式はまるで都会に満員電車が存在するみたいに変わらない。フレックスだ、働き方改革だと耳ざわりのいい言葉を並べても、いつの時代も僕たちは電車のウインドウズにほっぺたをこすりつけて生きている。

 

もちろん僕だってすぐには諦めない。トラブルの原因をネット探して、ひとつひとつ試してみる。

メモリがどうだというから、要らないソフトを50個捨てて、僕の行動を監視しようとする余計な機能を100万個オフ。

 

が、駄目。

 

隠しファイル、仮想メモリ、ユーザープロファイル、懐かしのMSDOSみたいな真っ黒な画面…

 

がっ……駄目っ……!!

 

 

ぱたんとPCカバーを閉じると、胸中に4年ぶり7度目くらいの虚無感が訪れる。やがて僕は何かを諦めて、新しいパートナーと生活を始めるのだった。

あれから8ヶ月。ブラウザは数分に一回クラッシュするし、CD‐ROMドライブは感知しない。左耳から聞こえる音はちょっと小さくなった。あ、でもなんか知らないけど、右クリックはちょっと早くなった。

 

公式はいつも、

「問題の症状をフィードバックしますか?」

 

修理屋はいつも、

「新しいの買ったほうが安いですよ」

 

お役立ちブログはいつも、

「再起動すると直るかも?」

 

 

もういいよ。

 

 

25年。何某かの専門家でない僕にとって、PCはまるで進歩していないに等しい。起動メロディを変えて、アイコンを変えて、ソリティアソリティアコレクションになった程度(もう捨てたけど)。

 

そして僕もまた進歩していない。少しでも軽くしたいから、ホーム画面の背景はずっと青。重い重いウインドウズブルー。

PCでやることは、文字を打って紙に出すくらい。