眠ノ記

寝言と黒歴史を丁寧に磨いてお出しします

『道京』-編集中記(雑談と詩)

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こんばんは。ネムヒコです。今日は1週間ぶりに作品投稿お休みで雑談です。

この度はなんの予告もなしに個人的作品をあげてみましたが、まあ雑記ブログとしては引きのないコンテンツですよね。「自分の書きたいものを書くな!読者目線で!」とかよく言いますし。ただ、この作品に関してはどうしてもアーカイブ化しておきたかったので、アクセス数0も覚悟の上で決行させてもらいました。
結果、なぜか見てくれる人が増えていて‥‥本当にありがたい話です。

 

我ながら頭がおかしいと思います。新しい会社に入って、ただでさえ気疲れしながら研修に勤しむ中で、昼休みの貴重な1時間を削って、15年前の原稿をマシンガンリライトするなんて。しかもパンをくわえながら、都庁の下で。東京をテーマにした作品の締めくくりとしては正解かもしれませんが、ハレとケの落差が激しすぎて頭の切り替えが大変です。

 

でも、多分これくらい無茶をしないと完成しなかったんですよね。余裕を持って働いていたり、ニート生活をしていたら、なかなか手をつける気にならなかった。ダメと言われると書きたくなる。無茶なことほど続けたくなる。まったく損な性分だと思います。

1週間毎日投稿ともなるとさすがにぐったりするもので、後半戦は明日以降に持ち越させてもらいました。代わりに、作品から漏れた詩をひとつ載せさせてもらいますので、よかったら。

ではみなさんよい週末を。

 

 

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「クロワッサン」

1つ年下の僕は、君の身を年下みたいと言って
1つ年上の君は、僕の心を年下らしいと言って

クロワッサンみたいな三日月の下で
朝まで電話を続けた

 

選ぶ話題はいつだって
触れられるはずのない遠い出来事
南極の雪にくるまるアザラシのことや
千切りみたいなイタリア語のリズム
話題はいつしかロケットに乗って

 

宇宙のはじまり
夢の中の夢

それから、それから

 

証明や根拠を忘れて
ただ電話越しに喋っていると
声がとても近くて
とっておきの面白話を忘れたことも
別にいいか、って思えたよ

 

 

1月はとても寒くて、君はダッフルコートを着てた
1ヶ月はとても短くて、僕は不幸せを怖がった

クロワッサンみたいな笑顔の下で
夜まで幸せだった

 

不器用なウインク
何度やってもつぶる両目
見本を見せてあげたいけれど
そんなのきっと、要らないだろう
だから僕も、両目をつぶる

 

始められない初め
夢のまた夢

これから、ここから

 

理屈や論拠を探して
やり損なってしまうたびに
答えはどこまでも遠のいて
優しくうなずいてもらっても
違うのに、って思っていたよ

 

 

東十条の商店街
酔っ払いがぶつかった
街灯が途切れた路地を
汚れた犬が歩いてく 

つなぐその手は小さくて
丸く 強く 温かい
不動産屋をのぞいて
いい物件が見つからなくて
すねたように吸った煙草 

きっと口実を探してたんだな
僕はそそくさと灰を落とす

 

 

焼きたてのパンが食べられる
駅前の喫茶店
長いカウンターに中央揃え
消しゴムに文字を書いた

聡明な君の文字は
丸く 強く 温かい
その顔をのぞいて
言いたい言葉が見つからなくて
手持ちぶさたにポケットを探る

 

「煙草は良くないよ」
君はポロポロと愚痴をこぼす