1994年にスーパーファミコン版が発売されて以来、25年以上にわたりやっているゲーム。それが「実況パワフルプロ野球」通称〝パワプロ〞です。僕はゲームに人生の数か月を捧げているわけで…自分でもなんでこんなことになってしまったのか不思議で仕方ありません。
ということで今回はそのあたりのナゾを振り返ってみようと思います。みなさんも今プレイ中のゲームが、一生のパートナーになるかもしれませんよ。
⚾始まりはアナログスティック
1996年に発売されたハード「ニンテンドー64」。このアナログ操作が当時はとても斬新で、それまでの野球ゲーム(ファミスタとかハリスタ)などにはない、多様な広がりをもたらしました。簡単に言えば、いい感じに難しくなったので、その分面白くなったということですね。
野球好きの男子にとって、パワプロの十字キーからアナログに慣れる鍛錬期間は、まるで自転車の練習をするようなもの。クリア出来たらその分楽しみの可能性が大きく広がるのです。
⚾人を廃人化するサクセスモード
パワプロにはオリジナルの選手を作成できる、サクセスモードというコンテンツが用意されています。一世を風靡した恋愛シミュレーションゲーム『ときめきメモリアル』からヒントを得たとされ、これだけで1つのゲームと呼べるくらいの作りこみ。90年代のタイトルはテンポも悪く、1人つくるのに2時間くらいかかることもありましたが、苦労してつくったオリジナル選手、オリジナルチームだからこそ、思い入れが半端ないわけです。
※特に名物のギャンブル要素・ダイジョーブ博士は凶悪(手術すれば低確率で大選手に、しかし失敗したらそれまでの時間が水の泡…)。それでも男子のロマンとチャレンジスピリットを大いに刺激し、サクセスモード、しいてはパワプロのの人気を一気に押し上げました。
⚾パワプロは毎年「ちょっとだけ」進化する
パワプロは、基本的に毎年ソフトを出します。そこらのゲームが「画質」やら「世界観のつくりこみ」やらで開発期間を遅らす中、愚直に毎年出すという事実はファンにとっての何よりの贈り物。
毎年出す分、シリーズとしての進歩はかなり遅めにはなるのですが、ほとんどのファンにとっては前述のサクセスモードが新しくなり、選手データを最新のものにしてくれたら最低限いいわけです。「どうせ大きくは変わらないしなー」と思いつつ毎年買ってしまう。で、野球が恋しい季節になんとなくやる。この適度な距離感が、僕とパワプロの静かな蜜月を形成したような気がします。
⚾最近のお気に入りはパワフェスモード
サクセスモードでは毎年、架空のチーム・架空のキャラクターがつくられます。その何十年にわたる歴史を結集させたのが、野球大会・パワフェスモード。過去に出会ったキャラクター同士が熱い戦いを繰り広げ、ファン歴が長いほど熱くなれるコンテンツだと思います。自前キャラだけでオールスター編がつくれるなんて究極ですよね。
サクセスほど長く時間をかけなくてもいいし、過去に挙げた記事の選手もほとんどこのモードで作ってますよ。
※パワフェスは一般的に、かなり賛否が分かれます。
・敵が露骨に無敵(どこ投げても打ってくる)モードに入る
・オート進行中、勝手に大量点を取られる
・狙って選手を作るには運要素が強すぎる
・点を稼ぐにはわざと接戦にして接待しないといけない
いつまでたっても改善しない↑をふまえてもなお、楽しさが勝つかどうかですね。
⚾でも、別にコナミは好きじゃない
そうこうしているうちに25年経過。新しい変化球が出たり、投手の分業制が可能になったり…とゲーム全体の完成度もいつのまにか上がっていきました。
のように聞くと、コナミは常にユーザーフレンドリーの開発をやってきたんだと思う方もいるかもしれません。ただ1ファンからすると、コナミにユーザーの声を取り入れるイメージはあんまりないんですよね。
リアルタイムで起こるリニューアルは「コレジャナイ感」が漂う。で、本当にユーザーの要望が多いものはなぜか数年後に実装される。お前らの声なんてすぐに反映させてやらないよ?心の曲がった僕にはそんな風に見えてしまうのです。たとえば今なら、周回プレイ前提のパワフェスの会話シーンなんてスキップ可能にしてほしいのに、頑なにそれをやらない。別に誰の得にもなってないと思うのに不思議です。
まあ、昔からこうしたUIの改善に積極的な会社ではありませんね。現場レベルでは夢を持ってやってる人もたくさんいるんだとは思いますが。
⚾まとめ
・オリジナリティ要素がある
・適度な難しさこそ味
・(良くも悪くも)大きく変わらない
・メーカーにデリカシーがなくてもなんとかついていける
僕が一生のパートナーに選んだゲームはこんな感じ。「キャラの可愛さ」「アナログスティック」「選手能力の数値化(と特殊能力)」といった軸を大事に、まずは変わらないでいてくれるのがなによりですね。
あくまでゲームなので、期待しすぎないのが一番幸せなんじゃないかと思います。